ユーティリティソフトウェア、ドライバ等のグローバル配信にCDNetworksを採用 配信速度を維持しつつ冗長構成にも対応し、30%のコスト削減を実現

最終更新日 2025年5月22日
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バックグラウンド

株式会社 PFU(以下、PFU)は、日本を代表する電子機器メーカーの一つであり、イメージスキャナーをはじめとするハードウェアの開発・製造・販売をグローバルに展開しています。同社のサービス運用・保守部門では、ユーティリティソフトウェアやドライバなどのWeb配信を行っており、世界100以上の国と地域のユーザに提供しています。

これまで他社のCDNサービスを利用していましたが、今後のトラフィック増加に伴うコスト上昇を考慮し、新たなソリューションを検討。その結果、CDNetworksのCDNとオブジェクトストレージの採用を決定しました。

課題と問題点

1. 製品の販売台数拡大でトラフィック量が増え、コストが上昇

  • ドライバ・ユーティリティソフトウェアをWeb配信している製品の販売台数が増加するにつれ、トラフィック量も増加。これによりCDN利用のコストが上昇していた。

2. Web配信対象製品拡大による将来のコスト増へ備える必要性

  • これまでは「ScanSnap」および「fiシリーズ」の一部製品のみがソフトウェアのWeb配信に対応していた。Web配信に対応していない製品はDVD-ROMの同梱で対応。DVD-ROM同梱はWeb配信と比較してコストがかかり、また、ユーザの利便性の観点からも、PFUはドライバ・ユーティリティソフトウェアのWeb配信対象製品を拡充する方針であった。そのため、将来のトラフィック量の増加が予測された。

3. グローバルなWeb配信の可用性と高速配信の必要性

  • PFUの製品は、グローバルに展開されているため、世界中の多様なネットワーク環境下のユーザに対し、安定した高速配信を実現する必要がある。特に中国は同社にとって重要なマーケットの一つであり、国土が広く特殊なネットワーク事情があるため、これに対応できる配信インフラが必要であった。

事例

CDNetworksの選定理由

PFUは、新たなCDNプロバイダを選定する際に以下の要件を重視しました。

  • 既存のサービス品質と速度を維持しつつ、中国を含む世界中のユーザに対して安定した配信が可能であること
  • 既存の細かい配信設定(Basic認証、リファラ制御、GeoIPコントロール、TTL管理など)と同じ設定が可能で、かつ柔軟に対応できること
  • 自社で利用しているコンテンツ管理システムと連携し、API経由で自動でキャッシュクリアが可能であること

CDNetworksはこれらの要件を満たしたことから、PFUは採用を決定しました。

CDNetworksの導入と運用

導入に際し、CDNetworksは冗長性を確保するシステム構成として、米国と日本に配置した2台のオブジェクトストレージをオリジンとする**ことを提案。PFUはこれを採用し、以下のメリットを得ることができました。

  • 一方のオリジンに障害が発生した場合でも、もう一方が機能することで高い可用性を確保
  • コンテンツのアップロードは片方のオリジンのみで行い、もう1台に自動的に複製される仕組みで、**これまでと変わらないオペレーションで実現

主な影響/利点

1. キャッシュヒット率の向上

  • 他社サービス利用時は約90%だったキャッシュヒット率が、CDNetworks導入後は99.5%を超える水準に向上。
  • CDNとオブジェクトストレージを組み合わせた冗長構成により、オリジンアクセスを最適化。

2. コスト削減

  • キャッシュヒット率の向上により、オリジンストレージへの負荷が軽減。
  • CDN利用コストを30%削減。

3. 中国配信へのスムーズな対応

  • ICPライセンス更新時にCDNetworksから迅速なサポートを受け、スムーズに中国ユーザ向け配信ドメインの切り替えを実施。

PFUの担当者は「CDNetworksの導入後のサポートにも満足しています。特に中国向け配信のドメイン移行時にはスムーズに対応できました」と語っています。PFUは、今後もCDNetworksのCDNを活用しながら、さらなるユーザの利便性向上を目指していく予定です。

このように、PFUは、CDNetworksのCDNとオブジェクトストレージの導入により、コスト削減、可用性の向上、グローバルな配信速度と品質の確保を実現することができました。

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